適正採用人数はどれくらいかを、財務の側面を踏まえて考える
例えば、今期採用が上手くいったとして、採用候補が出てきたとします。その際に、採用候補を2人採るべきか、3人採るべきか考える状況であったとします。採用が困難な時代ではありますが、採用活動に注力している会社であれば十分にあり得る話ですね。では、実際の経営においては、どのように考えていけば良いのでしょうか。
採用数が多ければ人件費はかさみます。しかしながら人が増えれば受け入れられるお客様のキャパが増えますね。その分売上げを増やせる可能性も増える訳です。一方で採用したら中長期的に採用したスタッフを雇い続ける義務も出てくるのです。
ということは、今年の人件費が増えるだけでなく、来年以降の人件費にも影響が出る事になります。ですから中長期的に見て、財務状況を踏まえて何人スタッフを雇うのがベストなのかという経営判断が必須になってくるのです。
ここで気を付けなくてはいけないのが、現場のスタッフの観点と、経営者としての観点は全く別物であるということです。
例えば現場のスタッフは「忙しいから新しい社員を一人でも多く採用してください」と言うかもしれません。しかし本当に忙しいのは土日のひとときの時間だけであれば、無理して採用し過ぎないことも必要かもしれません。その際、財務状況を適切に考えられる社長であれば「今財務状況が〜〜だから、採用人数は〇人で行こう!」と決断ができます。
しかし財務状況が明確に分かっていなければ、明確な財務観点の根拠を持たずに稚拙な判断をしてしまいます。結果的に売上げを上げるチャンスを逃したり、逆に人件費がかさんで財務状況を圧迫する可能性もあるのです。それでは実際にスタッフを採用する場合は、どれくらいの売上げを作ることを想定しておけば良いのでしょうか。
ここでは、スタッフのお給料が25万円だったと仮定してみましょう。もし二人採用するのであればお給料は50万円ですね。ここに社会保険料の負担が15%ほどありますので、50×1.15(15%分支出がUP)だとすると57.5万円となります。
もし25万円のお給料のスタッフを3人採用した場合は75万円です。ここに更に社会保険料が15%ほど上乗せでかかりますので、75×1.15で86.25万円となります。
では、2人採用なら社会保険料を入れて57.5万円、3人採用した場合はトータル86.25万円売上げを上げればまかなえる、と単純に考えれば良いのでしょうか?
実際は交通費や教育費、その他にもスタッフが増えたことによる雑費の増加なども考えられます。1人平均で月に30000円ほどそのような固定費でかかるのであれば、2人の場合は57.5万円+6万円(2人にかかる固定費増)で63.5万円、3人の場合は86.25万円+9万円(3人にかかる固定費増)で合計95.25万円となりました。
かなり増えましたね。そしてスタッフが増えた分、集客を強化する必要が出るでしょう。そうなるとHot Pepperをプランアップしたのであれば、その分の経費も重なってくることも考えられますね。勿論、細かい点まで見るとなると、上記の事柄以外にも経費が増す事は考えられるでしょう。ですから、このような財務観点も含めて、適切な採用の人数を考えていくことがとても大切なのです。
単純にスタッフが欲しいから多めに採用する、ということだけでなく、自社の財務状況に照らし合わせて適切な採用数を決定することが重要ですね。そのうえで攻めの経営・守りの経営のバランスを整えていけると、良い経営戦略となります。このような観点も含めて採用戦略を考えていけると良いでしょう。
【お知らせ】
Twitter始めました!日々感じたことをつぶやいています^^
Twitterもご覧ください^^
↓リンクをタップすると、Twitterに移動します