採用難だからとにかく採用…⁉その前に経営者が考えるべきこと

こんにちは。 Beauty Salon Branding College(BSBC)の学長/No1 Salon Branding Producer/美容室・美容院・ヘアサロン経営コンサルタントの高橋譲太郎です。BSBCでは、美容院・美容室・美容サロンの経営についての情報発信と、本格的に経営改善をしていく方のためのコンサルティングをご提供しています。

さて、今回は【採用難だからとにかく採用…⁉その前に経営者が考えるべきこと 】という内容をお伝えしてまいります。



美容業界では、採用難に陥っており、とにかく応募があれば採用を前提にすぐ面接をする、ということが多いのではないでしょうか?そして、ほとんどの美容室経営者がスタッフ採用の応募があると「やった!何とか人手不足を解消できる!すぐに面接に来てもらって、来週から働いてもらおう!」と考えているのではないでしょうか。実際に様々な美容院の経営者のお話を伺うと、面接の際に「前のサロンではどれくらいの指名顧客を担当していましたか?」などいくつかの質問をして、「では〇日から来てもらえますか?」となっているのです。

私自身も美容室経営に長年携わっておりますが、同じように今日の美容室経営においては、採用難が課題だと感じておりますので、やはり喉から手が出るほどスタッフを採用したいと思っています。しかしながら、私は応募があってもすぐに面接をするのではなく、必ず面接の前に【面談】をしています。 そして、まずは応募者の希望をしっかりとヒアリングし、それに対して自社が何を提供できるのか、自社はどのような考え方を持っているのかをプレゼンします。

面談は時として2回・3回と行います。実際に私が採用したスタッフのうちの一人(将来の右腕候補)は、採用前の面談を4回と、会社見学、そして採用面接を経て採用に至りました。それだけ長い時間をかけて双方で理解を深めたからこそ、将来を有望視できる右腕候補として急成長していくれているのです。

どうしてここまでやるのでしょうか。一発面接で簡単にOKを出せば済む話です。しかし私はじっくりと時間をかけて、採用すべき人材かどうかを見極めます。それはなぜかと言うと、人財採用においては「誰を船に乗せるかが重要」と考えているからです。

私はスタッフ採用を考えるとき、「ノアの箱舟」と例えて言います。私が経営に携わっている美容院では、【正社員で社保完備・完全週休2日以上・有給100%消化・残業代も正しく支給・健康診断も毎年実施・産休育休完全完備・給与還元を高く設定し年収は完全週休2日でも700万を超える設計】にしているからです。選ばれしスタッフだけがこの好待遇の恩恵にあずかれるのです。ですから「ノアの箱舟」と表現しているのです。

「問題は、誰をバスに乗せるかだ」

ビジョナリーカンパニー2などの著書で有名なジム・コリンズは、採用を「バスに乗せる」と表現し、それこそが組織の命運を決めると主張しました。船かバスの違いはあれど、私は全く同じ考えを持っています。

誰を「船・バスに乗せるか」ということは、組織風土や文化を構築していくうえで、最大のポイントだと言えるでしょう。組織文化や組織風土は、お客様の満足度にも大きく影響します。好ましくない組織文化を持つ企業が、長年にわたって成長・発展した例はほとんど存在しません。

あるベンチャー企業の採用方針の例をご紹介しましょう。この会社は新卒採用を一切行わずに、中途採用で人財を集める方針を貫いています。人財不足により、即戦力になるようなスキルのある人材採用を行っていました。実際にスキルがあるため、一定の成果は出してくれるのです。しかしながら、そうした人々の中には、スキルは高いものの、会社の価値観や文化に合わない人が一定数存在したのです。

その結果、短期的な成果は出るものの、最終的には居心地が悪くなってしまったり、時として不要な軋轢を生んでしまい、組織の空気を悪くしてしまうのです。こうした背景により、この会社は、新卒採用を開始しました。新卒ですから、すぐには求めるレベルまで成長しません。先行投資としての人件費も大きくかかるでしょう。しかし、会社の理念や考え方・風土・仕事観をしっかりと伝えることにより、将来的には良い人財として成長していくことにつながったのです。

勿論、スキルを見ない訳ではありません。一定のテクニカルスキル・人間性をみるためのヒューマンスキル・会社への貢献度であるコンセプチュアルスキル、という3つの観点から総合的に判断するようにしたのです。

一方で、何でもかんでも「Yes」と言うタイプばかりを採用し過ぎないようにも気を付ける必要があります。そのようなタイプは何でもかんでも「Yes」と言うため当たりは良く感じます。しかし、そのような人ばかりを採用してしまうと、時として組織の活性力が弱まる可能性もあります。また組織としての多様性が失われ、環境変化に適応できなくなってしまうかもしれません。

言うなれば、保守的になり過ぎて成長変化に対応ができなくなる危険性があるのです。このリスクを生まないためには、「変化は当たり前」「多様性を認める」という考え方が重要です。埋め込んでしまうことが必要です。

私が過去に在籍していたリクルートも、常に変化を生み出す会社でした。実際に当時の事業部長が「朝令暮改は当たり前」と話していたのを良く覚えています。私はその考えに賛成で、朝礼暮改の変化に対応できる組織こそ、成長スピードが速くなると考えています。

変化せずに残すべきもの、変化をさせて新しく生まれ変わらせるもの。これらを理解し、バランス良く持ち合わせられる人財を、面談などでしっかりと見極め採用していくことが重要です。そして応募者と経営者・企業側のベクトルを事前に照らし合わせ、よりマッチング度の高い状態で採用するスタンスこそが、将来の企業成長の秘訣となるのです。



【本気で価値あるサロン作りを目指す方へ】
Beauty Salon Branding Collegeでは、マーケティング・マネジメント・サロンブランディングという3つの観点から経営のヒントをご提供しています。また本格的に経営改革をしていきたい方には、無料経営相談・経営コンサルティングのサービスもございます。

経営を改革し、理想のサロン作りをしていきたいという方は、お問合せフォームよりお問合せ下さい。

美容院・美容室・美容サロン経営を学ぶならBeauty Salon Branding College(BSBC)
No1 Salon Branding Producer 高橋譲太郎


すべての連載記事一覧へ