美容室が企業として成長するために。「器が人を育てる」という考え方
こんにちは。 Beauty Salon Branding College(BSBC)の学長/No1 Salon Branding Producer/美容室・美容院・ヘアサロン経営コンサルタントの高橋譲太郎です。BSBCでは、美容院・美容室・美容サロンの経営についての情報発信と、本格的に経営改善をしていく方のためのコンサルティングをご提供しています。
さて今回は、【美容室が企業として成長するために。「器が人を育てる」という考え方 】についてお伝えしてまいります。「器が人を育てる」という考え方は、一言で簡単に言い表すと仕事や責任の与え方で人の成長が決まるというものです。
美容院経営者の大切な仕事の一つは人財育成です。特に、店長やマネージャーなどの幹部スタッフを成長させて、経営者目線を持つオーナー様の右腕的な存在にしていかなくてはいけません。
優秀な人財を育成するために、研修といったOff-JTを行う方法もありますが、OJTを実施していくのが基本です。そして経営者やリーダーからの適切なフィードバックと、それに伴うコミュニケーションがあることも重要なのです。
様々な企業を見てきた私は、美容室経営における人材育成という観点では、多くのサロン様に失敗する共通要素があると感じています。それは会社としてなすべき業務にこだわり過ぎてしまい、確実にできる人財を配置してしまうことです。つまりは、すでに十分な実力がある人間にその仕事を任せるということです。
これは、お客様への信頼性という観点で考えると正しく見えます。確実にできるスタッフが対応することにより、お客様の満足度を上げたり、不満足度を生み出さないということになるからです。しかし美容院経営における企業としての成長性や、人財育成という観点では、必ずしも有効ではないとも考えられるのです。
多少冒険にはなってしまいますが、情熱と勢いのある若手に仕事を任せ、チャレンジさせる方が、結果的に組織としての企業体力が上がるということがあります。この考え方が「器が人を作る」というものです。
難しい仕事・新しい仕事を任せることのメリットにはメリットがあります。例えば創意工夫をして取り組むので、経営者さえも予想しなかった斬新なアイディアや実効策がうまれることがある。
責任感が増すことによって、ストレスに強い人財に成長することができる。
多くのスタッフを巻き込まなくてはならないことが増えるため、本人のマネジメント能力が磨かれる、等です。勿論、他にもスタッフに新しいミッションを任せることにより、様々な観点で急速な成長を見込むことができます。
しかしながら一方で、仕事がスムーズに進捗しなかったり、プレッシャーに負け押しつぶされてしまう、本人が対応できないことによりクレームが発生する可能性がある、等のリスクもあると考えられます。こうしたリスクを回避するのが経営者の役目なのです。常に当人の状況・状態を把握し、当人では対応できないライン、どうしようもなく困っているタイミングで助け舟を出すことが要求されます。
こうしたチーム戦術が上手いとされるのが、日本が誇るトヨタ自動車です。トヨタ社では、若手に積極的に仕事を任せつつも、「おそらくこのポイントでつまずくであろう」ということを上司があらかじめ予想し、タイムリーに指導・アドバイスを行うのです。
トヨタ社では、必ずしも最優秀の人財ばかりを採用出来ている訳ではありませんが、若手にミッションを与えチャレンジさせていくことで、優秀な人財育成を行っているのです。ここにトヨタがトヨタである秘訣の一つがあると言えるでしょう。
美容室経営においても、同じことが言えます。サロンミッションに対して、それを無難にこなせるスタッフに任せるだけでは、組織の飛躍的成長の可能性は少なくなってしまいます。情熱と勢いのある若手に、積極的にチャレンジするチャンスを与えることで、大きな可能性の芽が拓くことでしょう。
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